弁護士 竹内 彰志

LAWYER SHIYOJI YAKEUCHI

2017年8月14日

カジノで経済成長?するわけない!

「経済」を考えたとき、GDPとか株価とか、考えちゃいますよね。

 

でも、経済というのは、本来、そこに生きる私たち一人ひとりの生活のためにあるはず。

 

そして、その地域に生きる人たちのことを、何よりもまず考えなくてはいけません。

 

いま、地方経済活性化のためのひとつの政策として「カジノ法」が話題になっていますが、それって何なのか、それは立地地域にとっていいものなのか、日本経済にとっていいものなのか。そして、「カジノ法」から見えてくる日本の経済の方向性とはどんなものなのか。

 

弁護士の竹内彰志さんに聞いてみました!【一般社団法人ReDEMOSインタビュー記事より】

 

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Q.そもそもなんですけど、「カジノ法」って何ですか?

 

ズバリ、カジノを日本に作ることができるようにする法律です。2016年の国会で、自由民主党と日本維新の会の国会議員が主導して成立させたものです。2017年中に、政府に具体的な案を出すように法律で規定しています。
正式名称は「特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律」なのですが、これはカジノではなく複合観光施設と表現しています。つまり、国際会議場などを併設するようにして、ギャンブルで稼ごうとする雰囲気をごまかそうとしているだけです。

でも、カジノで来る人と国際会議で来る人では、全然訪問目的が違いますよね。ごまかそうとして、無駄なハコモノが増えるだけではないかと思えてしまいます。

 
Q.日本中にカジノがいっぱいできるんですか?

 

大阪、北海道、沖縄などが、意欲を示していると言われています。カジノを推進する国会議員が集まる議員連盟は、「全国に10ヵ所ほど、道州制における広域ブロックに1つずつほど」設けようと提案しています。
とはいえ、カジノは、外国人観光客だけしか使えないのか、日本に住む人も使えるのかなど、不明な点が多いままです。

 

 
Q.なぜ自民党や日本維新の会はカジノを推進しているのですか?

 

基本的に賭けごとは、胴元が儲かるわけです。要は、カジノを立地する土地の買収、カジノ建設、カジノ運営、関連する施設といった利権狙いですね。

 

 
Q.カジノ誘致の大きな目的が「海外観光客を増やすこと」らしいですが、カジノを作ったらそんなに観光客が増えるんですか?

 

2015年に日本を訪問した外国人は1974万人います。多くは、京都・奈良といった古都、東京・大阪といった大都市、北海道などリゾート地を訪問しています。
海外では、自国民はカジノには入れなくて外国人しか入れないという制度を設けている国もあります。そうやって外国人を誘致しようという政策自体は世界的にはあり得ます。
ただ、カジノはアジアに多くあり、競争に打ち勝てるのかが不明です。さらに通貨が円安になると外国人には不利なことから、一概に「観光客が増える」とはいえません。

 

 

Q.カジノができたら日本経済にどんな影響があるんですか?経済成長につながりますか?

 

人口が減少していく日本において、経済成長というのは、持続可能なシステムを構築することで担保されるはずです。
カジノを日本に作る1年間の経済効果は、1.4兆円とも8兆円ともいわれています。しかし、日本に住む人がカジノを利用しやすい制度になればなるほど、ギャンブル依存に対する日本の社会コスト(生業につかなくなる人の経済損失、ギャンブル依存症脱却のための治療コスト)がかかります。
タバコの税収が1年間で約2.1兆円あるのに、タバコに関連する社会保障費は約3兆円といわれていることと同じように、作った結果、社会コストが多くかかる危険があります。こういったリスク計算をしないまま、制度を先に作ってしまおうというのは無謀です。